2003年2月

・2001年宇宙の旅(1968年/米)
  監督:スタンリー・キューブリック

30年以上前にこの映像と発想。すごい。
名前だけは知っていたが、何故か避けていた映画。
「どーも興味の湧かないタイトル」、というのが主な理由
だったのだが。この年代になってから見てよかったなー、
というのが素直な感想。

あまりにも壮大な映像詩、そして、椅子、テーブル、
宇宙食のカラー、コンピューター、宇宙船、宇宙全体の
デザイン。とても美しいデザインの画集を、一枚一枚
めくってるような感じ。
骨はやがて宇宙船となる。「道具」として骨をふりかざす
時代は、人はまだまだ平和やった。道具以上のことを求める
ようになるとそれは限りがなく、結果的に「限界」にいきつく
のが早い。いきつくのは遅いほうが、ある意味幸せ。

しかし、人類自体の進化は早いけど「ヒト」の進化の
遅いこと。

・レッドドラゴン(2003年/米)
  監督:ブレット・ラトナー
  俳優:アンソニー・ホプキンス
     エドワード・ノートン

レクター博士の精神は、死体の目の中にガラスを埋め込む
程度の「普通の狂気」とは、もはやステージが違う。
というか、全てはどんどんこのキャラを際立たせる為の演出?
でも、好きなタイプの映画。このまま「レクターシリーズ」を
寅さんの如くどんど続けて行って欲しい。

ダラハイドとグレアムの役は反対でも有り、かも。
幼ない頃の虐待で心がゆがみ、大がかりなレッドドラゴンの
タトゥをいれる事で、自分を再生しようとしたダラハイドと、
一応”ええもん”のグレアムやけど、犯罪者の心を感知し、
そこにたどり着いてしまう豊かすぎる想像力は、ある意味
ゆがんでる。一歩間違えばグレアムも実は川の向こうの人に
なってたかも。
このシリーズ、DVDは買わない。映画でのみ見ると決めている。
(表表紙の顔、怖いし・・・)

・愛と青春の旅立ち(1982年/米)
  監督:テイラー・ハックフォード
  男優:リチャード・ギア、ルイス・ゴセット・Jr
  女優:デブラ・ウィンガー

あの主題歌は大好きだったのに。
タイトル通り「青春映画」という意味では、いい。
ただ、涙二滴こぼれるかも、という話だったのが・・・(おい)
やはり迎えに行くときの基本はお姫様だっこなのか?
卒業の時の教官との「敬礼のシーン」はよかったのだが
二人の女性の描き方が、最初からあまり好きではなく、
最後まで、そこがどうもジクジクひっかかってしまって。
あぁ、しかし、実にアメリカ的映画。
不惑の年で初めて見たのが、肩すかしの要因かも。
リアルタイムで見るべき映画やった。

・アメリ(2001年/仏)
  監督:監督 :ジャン・ピエール・ジュネ

アメリの、いたずらっぽく、でも少し怖い顔に惹かれて、
ジャケ買いしたのだが、けっこう有名な映画やった。
モンマルトルにあるカフェ“ドゥ・ムーラン”で働く
アメリという女の子のお話。

幼い頃から、空想や幻想の中でしか生きざるを得なかった
アメリが、人々を幸せにしてあげる使命感に目覚め、廻りの
人達へちょっとした”幻想”(イタズラとも言う?)を仕掛け、
愛を取り戻させる。辛い現実よりファンタジーの中で幸福な
人生を味わうのとでは、どちらが幸せなのか。
うーん、と唸ってしまう。

そしてファンタジーからあと少し抜け出せず、自分自身の
恋がなかなか発展しない(自分を見つけてもらえず落胆し、
その場で溶けてしまうCGがノスタルジックな映像から一気に
現代化するのもおもしろい)アメリに、骨がもろすぎて一切
外出の出来ない絵描きの老人が言う。
「可愛いアメリや。お前の骨はガラスじゃない。
 人生にぶつかっても大丈夫だ。」
そしてアメリは一歩踏み出し、幻想でなく現実に抱きしめ
あえる恋人を腕にする。

全編ポスターのようなカットと、アメリのクルクル変わる
表情が見ていて楽しく他の登場人物も個性的。見ながらずっと
笑ってた。そしてこの日の夕食はクラシカルなフレンチ。
白アスパラと鳩とトリュフを食べながら、運命はこんな風に
繋がり、廻っていくものやなぁと、相手に気づかれないよう、
もう一度ニヤニヤ。

※この月、ロワゾー、ゴー・ミヨー評価を苦に自殺。黙祷。